粉茶・抹茶・粉末緑茶の違い
時々、お客様から「これは抹茶?」というご質問をいただくことがあります。
粉になっているお茶はすべて「抹茶」と勘違いされている方も多いかと思いますが、粉のお茶には「粉茶」「抹茶」「粉末茶(粉末緑茶)」の3種類があるのです。
粉茶も抹茶も粉末緑茶も、見た目が同じ粉末に見えるから、ごちゃごちゃになってしまっている方が多いようですね。
そもそも抹茶も粉末緑茶も同じ(ような)ものだと勘違いしてしまっている方も多いようです。
さらにお茶屋さんによっては、お客様が粉末緑茶を指差して「これは抹茶?」と聞かれた時に、本当は粉末緑茶なのに「あ、抹茶みたいなものです。簡単に言えば抹茶ですね」と答えてしまうお茶屋さんもいるかもしれませんので気をつけてください。
粉茶、抹茶、粉末緑茶の違いをご説明します。
わたくしどもは、よく全国各地の物産展や催事でお茶の販売をしています。
そこで、当店の「茶の種子茶シリーズ」を見て、「あ~抹茶ですね」というお客様には、「いえいえ、これは粉末緑茶なんです。抹茶というのは・・・で、粉末緑茶は・・・」とご説明します。
すると、皆様「へ~~そうなんだ、知らなかったよ」と納得してくださいます。
確かに抹茶も粉末緑茶も、さらには粉茶も、見た目も名前も混同しやすいですよね。
お茶屋の責任として、こうした地道な活動でもっとお茶のことを知ってもらわなければ・・・と痛感する毎日です。
粉茶、抹茶、粉末緑茶は、原料となる茶葉と製造方法の違います。
粉茶と粉末緑茶は原料となる茶葉は同じですが、製造方法が違います。これに対して、抹茶は原料となる茶葉も製造方法も違うのです。
●粉茶
粉茶の見た目は「粉末?」と言われるとそこまで粉末っぽくないですよね。
その時点で、抹茶や粉末緑茶とは違うというのを感覚的にわかってらっしゃる方も多いかもしれません。
粉茶は、一般的に皆様が飲まれる「煎茶」を作る工程で、葉や茎を切断した際に出る粉を集めたものになります。
お茶業界では「出物(でもの)」といわれるお茶です。
粉茶と言っても、普通は急須を使って飲みますが、急須の網目から流れて、湯呑みに茶葉が多く入るので、その分煎茶に比べて茶葉の栄養も摂れます。
カテキンには殺菌作用もあり、昔から生魚を食べるお寿司屋さんで飲まれていたのはそのためです。
●抹茶
抹茶は、茶葉自体が通常のお茶とは違います。
抹茶用に育てられた「碾茶(てんちゃ)」という茶葉を石臼で挽いて粉末にしたものが抹茶です。
碾茶は、よしず棚などで茶畑を覆って、日差しを遮って育てられます。非常に手間がかかりますが、日光を遮ることにより旨味成分(テアニン)を増やす栽培方法です。碾茶は玉露の原料でもあります。
さらに石臼というのがポイント。
例え碾茶を使っていても、機械で粉末にしたものは、本当の抹茶とはいえないんです。
●粉末緑茶
お茶の栄養を摂りたいという方にもっともおすすめのお茶が粉末緑茶です。
粉末緑茶は、煎茶として出来上がった茶葉を後から粉末にしたものです。
当店おすすめの「茶の種子緑茶」も粉末緑茶に該当します。
抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)と違い、覆いなどを被せず、日光をたくさん浴びて育った茶葉が使われます。
茶葉は日光を浴びれば浴びるほど、旨み成分のテアニンが渋み成分のカテキンに変化します。そのため、抹茶とは違い、粉末緑茶はカテキンたっぷりの健康に非常に良いお茶として出来上がりますので、体に気を使われている方にはおすすめのお茶です。
また、粉末緑茶は抹茶のように栽培に手間がかからないため、価格も安価なことが一般的なので大変おすすめです。